第3章 2 Melody.〜天side〜
「お願いします……!に会わせてください!」
「ごめんなさいね……まだ嫌だって言うのよ」
「っ……」
「ねぇ天くん……?本当はと何があったの?」
「……いえ」
「あ……言いたくないならいいの、ごめんなさい」
「……すみません、お時間を取らせてしまって。また来ます」
また来ますーー。
それは明日も来ますという事だった。
行くたびにワザと大きな声で話したよ。
ボクが来たことを教える為に。
けどそれでもは全然出てきてくれなかった。
「天にぃ……!」
「陸……」
「どうだった?!姉は?!」
「……ダメ」
家で帰りを待つ陸に「今日も会えなかった」って伝えるのも辛かった。
ボクと同じくらい彼女を心配していたし……お姉さん的な存在として、陸はをとても慕っていたから。
会えなくなったのならそれは仕方ない。
でもせめて理由を知りたい。
何も聞かされずに残されたボクたちの事を考えてほしい。
という伝わらない思いを……ボクは何度心で訴えただろう。
「そっか……」
「明日また行く。陸は待ってて」
「っ……次はオレも行くよ!」
「ダメ。発作が出たら大変でしょう」
「大丈夫だよ!!だから……」
「ダメ。……待ってて」
「っ……わかったよ」
「……良い子」