第3章 2 Melody.〜天side〜
(……)
「おい天、着いたぞ」
(本当に小鳥遊事務所に……?ならボクは……)
「っ……天!!」
(え……?)
「……何?」
「シカトこいてんじゃねぇよ。行くぞ」
なんて……キツい思い出に浸っているうちにテレビ局に着いたようだ。
仕事モードに直ぐ切り替えるのは慣れている。
けど頭の隅ではまだの事を考えていた。
まあ……それを表に出す事は絶対にしないけど。
「今度は何を考えてたんだよ」
「何も」
「嘘つけ。ずっと声かけてたのに全然気づかなかっただろ」
「ワザとだよ」
「なっ、ワザとだと……?!」
楽と小さな言い争いをしながら局に足を踏み入れる。
「またそうやって……!」と言う龍の声を聞きながら。
最近じゃこうして2人といる時間が楽しいと感じる。
「楽も天も落ち着いて!挨拶に行くんだから……!」
「そうだよ楽。くれぐれも失礼な事しないようにね」
「しねぇよ!!」
今回共演するRe:valeはこの業界の先輩。
彼らとは何度も一緒に仕事をしてきた。
後輩思いの……とても良い人達。
「あはははっ!やっぱり2人は喧嘩しちゃうんだね!」
「喧嘩するほど仲が良いってやつだろ」
「百さん、千さん……!すみません、楽と天が騒がしくて……」
「……ボクは騒いでない」
「いいよいいよ!テンション低いより全然いい!」
「モモは高すぎるけどね」