第27章 26 Melody.〜天side〜
別に仲良しこよしってわけじゃない。
けど仕事に支障が出るようになってからでは遅い。
それにいつまでもボクを無視しているの様子も気になるし……彼女とはもっとしっかり話し合わなければ。
でないと何もかも崩れてしまう。
(……)
……だからボクは会いに来た。
に会いに来た。
直ぐ目の前にある……この小鳥遊事務所まで。
「わざわざ下まで来てくださってありが––––」
「ん?どうかしましたか、さん」
「……えっ?あっ!いえ!なんでもないですよ!じゃ、じゃあお疲れ様でしたマネージャー!」
「お疲れ様。夜道には気をつけてくださいよ!」
「は、はい!!」
事務所から出てきたは、近くに停まってるボクの車に気付いた様子。
マネージャーが中に戻るまで見届けた後……ゆっくりとこちらまで近づいてきた。
……しかし彼女は何もせず通り過ぎていく。
ボクが居るとわかってて。
「……逃げるの?」
「っ……!」
「乗って」
いくら仕事終わりのプライベートな時間とはいえ、女と会うのだからボクの変装は完璧。
歩みを止めて立ち尽くすの側まで行って……そして助手席に乗るように促した。
観念したのかなんなのかわからないけど、彼女は躊躇いながらもシートへ腰をおろしてくれる。
「ベルトして」
「……うん」
「行くよ」