第27章 26 Melody.〜天side〜
(……既読がつかない)
【陸はどう?】
家に着いた時に送ったこのラビチャ。
送信時間から大分間があいているのに、まだ見ていないようだ。
確認出来ないくらい大変な状況?
まさか陸の呼吸が……?
それとも……ワザと?
色々考えてみたけど、結局その日に返信は来なかった。
(……まだつかない)
翌朝見ても既読になっていないボクからのメッセージ。
陸の側にいてあげてとは言ったが……寝る前とかに確認しそうなものである。
なのにスルーしているという事は……明らかボクを避けているとしか思えない。
(……キミも怒ってるの)
「天!楽!これを見てくれ!」
「なんだよその雑誌。六弥が表紙じゃねぇか」
「そうなんだけど……ほら、ここ!」
(……!)
「さん……」
「あいつモデルやってたのか」
「ナギくんだと思って捲ったら見つけてさ。2人にも教えたくて買ってきたんだ」
モデルをやっただなんて話聞いてない。
聞いてないからこそびっくりしたというのもあるけど……それよりも、六弥ナギの隣にいるが自然な笑顔を見せていて驚いた。
だけどこれも仕事。
どんな事情を抱えていようと表に出してはならない。
そう考えると、は上手く仕事をやり遂げている。
だからここは褒めるところ。
なのに……ボク自身としては複雑だった。
(彼は大丈夫なんだ……)
視線の先には……の腰ある六弥ナギの手……。