第27章 26 Melody.〜天side〜
あれから陸はどうなっただろう……。
と、自宅にあるソファーに座りながら考える。
まだボクに対して怒りを吐いてるだろうか。
呼吸を乱していないだろうか。
……いや、が側にいるはずだ。だから大丈夫。
けど彼女は?はどう考えてる?
あの時言わなかっただけで、本当はボクの事怒ってる?
って……もうこればかり。
(……離れない)
いくら考えても終わりが見えてこないのはのせいだ。
打ち明けた時に見せた彼女の悲しそうな顔が、ハッキリと目に焼き付いてしまっている。
瞼を閉じても浮かんできてしまう程鮮明に。
選んだ道は間違っていないはずなのに……ボクが今の道に進んだせいで、にあんな顔をさせる事になるとは……。
(……それでもボクは九条天をやめない)
これは彼女に言ってないけど、自分は九条さんの期待を背負ってる。
かなり大きくて……どこか恐ろしいと感じさせるくらいの。
でもそれは初めからわかってた。
九条さんと会って「キミはあのゼロをこえる逸材だ」「僕の夢を叶えてくれないか」と言われた時から。
時々重すぎて、肩からおろしたくなる時があるけど……
ボクはもう七瀬には戻れないから……このままずっと九条天だ。
そう。
これからもずっと……九条天。