第26章 25 Melody.
〝陸をよろしく〟
天が言ったこの言葉。
それを胸に……私は陸の元へとやって来た。
パーティーを続行しようと、無理に笑っていた姿を思い出すと心が痛む。
「陸……いる?」
「……姉?うん、いるよ」
「入ってもいいかな……」
そしてそのパーティーはもう終わり……みんな寮に帰ってきている。
陸は部屋に篭ったきり出てこなくなったから、もしかしたら今は会いたくないのかもって思ってた。
……けど彼は静かにドアを開けてくれる。
「いいよ」って……元気のない声と共に。
「ごめん、姉……オレ……」
「ううん……私が全部悪いの。何も知らなかったとはいえあそこで言うことじゃなかった……ごめんなさい……」
2人して謝って、2人して俯く。
無神経だった自分も……楽しい時間を台無しにした自分のセリフも……もう何もかもが許せない。
なんで私はこうもバカなんだろう。
「……あのさ、姉」
(え……)
「なに……?」
「その……話を聞いてどう思った……?」
「え……?」
私が答えるより先にポツリポツリと話し始める陸。
この子も私と同じで、酷く後悔していた。
天とは散々話し合いをしてきたのに、いまだに心から受け入れられていない事。
大声を出して、自分の意見だけをぶつけてしまった事。
そのせいで私と天の関係が悪くなるんじゃないかって……あの後からずっと不安だったらしい。
(陸……)