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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第26章 25 Melody.




「大丈夫だよ陸。天の事は今でも大好きだから」

「ほ、本当……?」

「うん。天は天だもん……これくらいで嫌いになんかならないよ」



––––私は嘘をついた。


でも天の事が大好きというのは本当。
何年も想い続けてきたんだ、そう簡単には変わらない。


ただ……彼の彼女だって胸を張れない感じ。
あんなに素敵な人が私の彼氏だなんて……今じゃ申し訳なくてたまらない。


私のどこが好き……?
どうして好きになってくれたの……?
私と関わるとろくな事ないのに……。
天にはもっと違う女の子の方が……。


なんて考えたくもない……いや、考えちゃいけない事ばかりが自分の中で広がっていく。



(バカバカバカッ……私のバカッ……)



天の気持ちを無視している今の私は最低。
好いてくれているのはわかってるのに……他の子の方がいいだなんて、自分はどういう神経をしているのだろう。


彼の想いを踏みにじりたくない。
けどどうしても負の考えばっかしてしまう。



(天っ……)



好きだけど自分じゃダメなんだ。
だから別れよう。


そんなシーンよく漫画とかでみたりするけど……読む度に「なんでそうなるかな」って思ってた。
お互い好きならいいじゃんって。


だけどまさか自分が同じ立場になるなんて思ってなかった。
こんなに苦しいものだなんて知らなかった。


今はまだ話を聞いて時間がそう経ってないから、こうやって考えてしまうだけなのかもしれない。

冷静になって気持ちを落ち着かせないと……陸が言ったみたいに関係がこじれるかもしれないから……



暫くは……天と2人では会えない……。



◆25 Melody.END◆
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