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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第26章 25 Melody.





「……事情はわかった。話してくれてありがとう」

「っ……姉怒らないの?!天にぃはオレ達を捨てたんだよ?!」

「陸、それは違––––」

「どこが違うの?!姉の事だって、天にぃ凄く心配してただろっ……なのにっ……」



どれくらい無言だっただろう。
再び口を開く私達は、やはり穏やかではない。


けど少し疑問を感じた。
「陸、それは違––––」と言いかけた時の天が……私にはとても辛そうに見えたんだ。


彼、本当は胸が張り裂けそうなくらい苦しんでるんじゃないだろうか。



(天は天で苦渋の選択だったのかもしれない……。だってこんなに良い弟やおばさん達がいるんだもん……)

「……あれは仕方なかった。と連絡する術がなかったから」

「だから待ってようって……最初に言ったの天にぃだよ?!忘れたの?!」

「……忘れてないよ」

「天にぃはあの時、姉の事〝大好き〟って言ったけど……なんかもう信じられないよっ……」

「……の事は–––––」

「オレずっと1人で姉の帰りを待ってたんだよっ……でも肝心の天にぃが側にいなくてっ……どれだけ不安だったかわかんないだろ……っ」

「陸……」

(それは私が悪い……)
「陸、私……」

「天にぃは酷いよ!!そんなんで姉を幸せに出来るの?!」

「……陸、興奮しちゃ––––」

「姉を泣かせたらオレ……天にぃの事も許さないから!!」

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