• テキストサイズ

【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第25章 24 Melody.〜天side〜




「ありがと天にぃ!いただきます!」



こうして手に入れたミニサイズのオムライスを、陸と並んで口にする。
赤いソースの正体はシンプルにケチャップだった。


スプーンを使うやつしか食べた事なかったけど……これはこれでなかなかいける。



(……美味しい)

「これ美味しいでしょ!」

「っ……まあまあ」

「そう?オレは好きだなー!ちっちゃくて可愛いし!」



美味しそうに頬張る陸と、幼かった頃の陸の姿が重なる。
あの頃もこの子は「美味しい!」と言って沢山食べていた。


でもパクパク食べ過ぎるんだ。
案の定つっかえて……そんな陸の背中をボクがさすって、が水を持ってきたりした事もあった。


これは懐かしい思い出として、今でもボクの記憶に刻まれている。



「こら陸、もっとゆっくり食べて」

「んっ……!大丈夫だよ姉!よく噛んでるから!」

「の割りにはホイホイ口に入れ過ぎだよ?」

「あ……ははは、そうかな?」

「そうです。今お水持ってきてあげるから待ってて」



も思い出したのだろうか。
水を片手に戻ってきた彼女は心配そうに……だけど優しい目つきで陸を見ている。


以前は「天に良い子って言われる陸が羨ましい」って言っていたけど……



(……陸だけ)



ボクもボクで似た事をずっと思ってた。


の優しい眼差しを貰ってる陸が羨ましいって……。

/ 395ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp