第25章 24 Melody.〜天side〜
何やらボソッと呟いたは、ほんのり頬を染めながら楽達の方へと行ってしまった。
話をしているみたいだけど、周りが騒がしいせいか聞こえない。
楽、に変な事しないでよ。
そう思う中、ボクと陸の誕生日パーティーが賑やかに始まっていった。
「天にぃ楽しんでる?遠慮しないで沢山食べてよ!」
「陸は食べ過ぎ」
「だって美味しいから!姉が作った料理!」
(……が?)
人数が多い分、並んでいる品数も……ひと皿に盛られている量も多い。
これを全て1人で作ったとは思えないけど、1からの手料理を口にしたのは今まででお菓子くらいだったし……味がちょっと気になる。
でも簡単に手を出すわけにもいかないから、料理の前で立ち尽くすしかない。
(……食べてみたい)
「あの……く、九条さん」
(……?)
「何?」
「えっと……お、お口に合いませんか……?」
そこへ感想を聞きに来た。
ボクが皿を持っていないからそうやって聞いてきたんだろう。
まだ食べていないだけなのに不安になってるのか、彼女の表情は冴えない。
「これからいただくとこ。おすすめは何?教えて」
「えっ……お、おすすめ……?」
「キミが作ってくれたんでしょう。どれが自信作?」
「ど、どれも自信作とは言えないけど……あれかな……」