第23章 22 Melody.〜天side〜
(ボクの勝ち)
……ワザとだ。
言ったのは全て本心だけど、今のはワザと。
を追い詰めたら白状すると思って。
そうしたら見事に大成功。
彼女はポツリポツリ、ゆっくりと理由を話し始めてくれた。
「よ、よく陸に言うでしょ……?」
「陸……?」
「うん……そのっ……い、良い子って……」
「……それが何?」
「いいなってずっと思ってた……。良い子って言う時の天、凄く優しくて好きなの……っ」
まあ……話してくれたのは嬉しい。
嬉しいけど、好きなのって聞くとどうも胸が騒つく。
の口から出る「好き」は……ボクを幸せで満たしてくれる。
「……何それ。そんなの羨ましがるなんておかしいんじゃない?」
「っ……」
(聞きたいなら幾らでも言ってあげる)
「ごめんなさいは?」
「……ご、ごめんなさい……」
(クスッ……)
「良い子」
年下のボクが年上のに良い子だなんて、それこそおかしい気もする。
けど……きっと彼女は甘えてるんだ。
ずっと前から甘えたかったんだ。
そう思うと……なんだか嬉しい。
「また赤い」
「っ……見ないでよっ……」
「いいよ、そのままそっぽ向いてて」
「え……?」
「今度じっくり見させてもらう」