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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第23章 22 Melody.〜天side〜




「残念だったな、キス出来なくて」

「……うるさい黙って」



帰り道。
楽と龍に挟まれて歩くボクは絶賛いじられ中。

普段だと出来ないからか、これでもかってくらいに言ってきて苛立ちがおさまらない。



「で、でも凄いよ天は」

「急になんなの」

「いや……女の子とキスなんて俺には無理だからさ……」

(……だからしてない)



情けない発言をかます龍。
でも彼はこういう人だ。

優しすぎるから断れなくて、いつもいつも女に引っかかってばかりいる。


実際は女慣れしてないのに。



「お前は断り方を覚えろよ」

「断り方か……でも女の人相手だとどうも……」

「そこを上手くかわせよ。なんなら教えてやろうか」

「えっ……!」

「いいんじゃない?龍には少し教えといた方がいい」

「だよな」

「じゃあ楽、キミが女役」

「は?!」

「龍を口説いてみて。得意でしょう」

「得意ってなんだよ!」



「ボクにはそう見えるけど」と言うと、楽は「マジな奴にしかしねぇよ!」と声を荒げた。

素直に思った事を口に出来る楽の性格は時々尊敬する。


ボクは……あまり言わないから。



(いや、最近は言ってる……かな)



◆22 Melody.END◆
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