第23章 22 Melody.〜天side〜
「あっ……ごめん、ちょっと行ってくるね」
りんごジュースを手渡されて数秒。
「陸、ちょっといいか?」と、和泉三月に呼ばれた陸が2度目の退室。
おかげでまたと2人きりになったけど……部屋の外からこんな会話が聞こえてくる。
「何やってんだよ!」
「えっ?!み、三月何言ってるの……?」
「入るタイミングだよ!!もうちょい気を使えって!」
「そ、そう言われてもわかんないよ」
「わかれ!大体なんでお前の部屋なんだよ!ここはの部屋だろ!」
(……丸聞こえ)
和泉三月以外の気配も感じる。
ドアの向こうには全員集まっているんじゃないだろうか。
……そうとわかればもうには近づかない。
人がいるとわかってて何かするようなボクじゃないから。
「な、なんか外騒がしいね……」
「関係ない。そろそろ帰るよ」
「えっ……もう帰っちゃうの……?」
(寂しそう)
「……したかった?」
「?!い、いやそのっ……は、話があって……」
(冗談でしょう)
「何?」
「えっと……わ、私ね?天と……そのっ……」
(……言いたい事はわかった)
「その先は言わなくていい」
「で、でも私……!」
「また今度聞かせて」