第23章 22 Melody.〜天side〜
まだから〝大丈夫〟って聞いてないのにキスなんてするわけない。
ボクはただ頭にゴミがついていたのを取ってあげようとしただけ。
なのには意識してしまったようだ。
「おまたせ!2人ともりんごジュースでいい?って……何してるの?」
「っ!!り、陸……?!」
「髪にゴミがついてたから取ってあげただけだよ」
「そっか、だからそんなに近かったんだ」
「う、うん!そっ、そそそそうなの!」
「ちゃんと天にぃに取ってもらったんだね」
「うっ、うん!!おっ、おかげですっかり元通り!!」
(……は慌てすぎ)
目線キョロキョロ。
顔真っ赤。
おまけに噛みまくり。
今のはどう見ても挙動不審だ。
なのにそこを突っ込まず、ボクの話を鵜呑みにした陸はニコニコとしている。
2人して可愛い。
「なら大丈夫だよね。はい!りんごジュース!」
「あ、ああありがとう!」
「はい、こっちは天にぃの分」
「ありがとう」
「えっと……か、乾杯とかする?」
(……りんごジュースで乾杯)
「しなくていいよ」
「はは……そうだね」