第22章 21 Melody.
「……」
「っ……」
(天……更に顔怖くなったっ……)
呑気に笑う十さんとは正反対の天。
目元には影がおりて、目付きも冷たい。
そんな顔で見られると……なんだか自分が悪者になった気分になる。
(ど、どうしよう……)
「わかったらもういいだろ。早くこれ解けよ」
「暫くそのままでいたら?次は楽の番でしょう」
「いつの話してんだよ!」
次は楽さん……?と、私は首を傾げる。
そんな私に気づいたのか、天は「気にしないで」と言って、大和さん達に縄締めにあっている2人を任せた。
すると陸がここぞとばかりに入ってくる。
「天にぃ!」
「陸……2人が騒がしくしてごめんね」
「ううん!それより中入ってよ!」
「……中?」
「うん!少し話そうよ!姉も一緒にさ!」
多分……今の陸の方が天の彼女っぽい。
会えて嬉しい!
いっぱい話したい!
まだ離れたくない!
ってオーラがキラキラと見える。
「いいよ。少しならね」
「えっ……ほ、本当……?」
「本当」
「あ……ははっ!やった!やったね姉!」
「い、いやでもこのまま皆さんを放っておくわけには……」
「楽達の事は気にしなくていい。陸、部屋に案内して」
「うん!ほら姉もこっち!」
(いいのかなぁ……)
「う、うん」