第21章 20 Melody.〜天side〜
(……ずっとこんな顔してればいいのに)
その夜。
あの後3人でMVを観たけど、楽と龍の「よかったな」オーラが気恥ずかしくてあまり集中出来なかった。
だから今自宅で1人、のMVを観直している。
大画面に映し出される笑顔の数々がとても眩しい。
「……可愛い」
ここにはボクしかいないから、つい本音が溢れても誰も知る事はない。
ないけど……ハッとなるとやっぱり恥ずかしい。
何言ってるの。
虚しくないの。
と、自分で自分にツッコミを入れてはまた惚気る……そんな夜。
(……?)
いや、いい加減やめよう。
そう思っていると、スマホがラビチャの通知音を発した。
昼間より夜の方が連絡つきやすいからか、大体暗くなってから送られてくる事が多い。
【今日は観に来てくださってありがとうございます。あれからマネージャーと話して、今後はもっと積極的にファンと交流していこうという事になりました】
【私はまだまだ未熟者です。でもだからって未熟という言葉で片付けたくありません。色々と吸収しながら、私自身もっと成長出来るように努力していきたいと思っています】
【なので今日の九条さんのお言葉、とても嬉しかったです。おかげで様々な事に改めて向き合う事が出来ました】
【本当に感謝しています。ありがとうございました。】