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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第21章 20 Melody.〜天side〜




ただお疲れ様って言っただけなのに、はボクにとびきりの笑顔を見せてくれた。


事務所に戻っても胸の辺りがまだくすぐったくて……MVなんて観れそうにない。



(可愛い……)



なんて言いつつボクの手には1枚のCDが。

帰り際どさくさに紛れて初回限定版を入手し、今ジャケを見ているのだが……それだけで惚気る辺り結構重症だなと我ながら思う。


でもこれは仕方ない。だって本当に可愛い。

ボクのお墨付き。



「セット出来たよ。観よう」



だがしかし、フワフワと穏やかな気持ちになっていたのはここまで。
龍の声で我に返ったボクは、勝手に羞恥心を抱いてしまう。


今ニヤけてないよね。
見られていたら面倒くさい。


って2人を警戒していると……



「わかるぜ天、可愛いよな」

「まだ残っててよかったね」

(……最悪)



ボクの様子に気づいたのか、この人達はワザとらしくからかってきた。


楽のニヤニヤが余計ムカつく。
龍の微笑みが逆にムカつく。


居心地悪いし恥ずかしいしで……ボクは口を軽く尖らせてそっぽを向いた。



「っ……うるさい」

「照れてる天も可愛いよ」

(……龍は何言ってるの)

「普段の顰めっ面からは想像出来ねぇよな」

(……楽は後で覚えといて)
「くだらない。早く流してよ」

「そんなに早く観てぇのか?」

「ほら天、真ん中おいで」

(……本当に嫌だ、この人達)


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