第21章 20 Melody.〜天side〜
シンと静まり返るテント内。
もボクも楽も龍も……みんなして口を閉ざしたまま。
しかし彼女のマネージャーだけは「すみません……!次回から直しますので……!」とペコペコしている。
「……何か言う事は?」
「っ……私は辞めません……」
「ファンを大事に出来ないキミには向いてない」
「辞めません……っ」
「はっきり言って今日のライブは期待はず––––」
「辞めません!!」
突如大声を出してボクの話を制止する。
その表情は複雑で……怒りやら悔しさやらが混じり合っているように見える。
今回の事をバネに、次からは自分もファンも……両方大満足出来るようなライブにしてみせます!!
辞めろと言うのは、その時のライブを観てからにしてください!!
更には「私にチャンスをください!!」と、彼女は真剣な目つきでボクに言ってきた。
の瞳の中に……熱い何が宿っているように感じる。
(……負けた)
「言わせないようにしてよね」
「はい!」
「話は終わり。楽、龍、行くよ」
「おい待てよ。少しくらい褒めてやれって」
「……今回は褒めるところがない」
「まあそう言わずに」
(……なんなのこの人達)
「……お疲れ様」
「あ……ふふっ、はいっ!!」