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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第21章 20 Melody.〜天side〜





「行くよ」



本当は会わずに帰るつもりだった。
けどどうしても一言言いたくて……ボクは楽達を連れてセット傍にある仮設テントへと向かう。


「TRIGGERさん……?!」と驚くマネージャーをかわしての前に立つと……彼女も驚いたのか、彼と同じ様に目を丸くした。



「て……!く、九条さん……?!」

「話がある。ちょっといい?」

「え……は、はい」

「キミはどこを見ながら歌ってるの」

「……え?」

「どうしてファンの期待に応えないの」



ボク達も暇じゃない。
この後もスケジュールが詰まってる。

だからいきなり本題に入ったわけだけど……は何を言われているのかさっぱりわからない様子。


「え……?」しか言わないから……TRIGGERの九条天が苛立ちを覚えてしまう。



「見えなかった?ファンの子達が持ってた物」

「持ってた物……?」

「キミへのメッセージ。何?気づかなかった?」

「え……あ……は、はい……」

「……あれだけ主張させていたのに気付かないなんてね」

「で、でも私パフォーマンスではミスしてません!」

「それは当たり前でしょう。けどただ披露すればいいって問題じゃない。キミはファンからの声を無視したも同然」

「無視……」

「応えられる範囲ならファンサービスして。じゃないとキミのファンはがっかりする。……言われなきゃわからないようじゃ……やっぱりキミはアイドルを辞めたほうがいい」

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