第2章 1 Melody.
守ってやるーー。
そう言われて私は凄く嬉しくなった。
勿論ずっと守られている事はしない。
自分としっかり向き合って、この恐怖から抜け出す努力はする。
「っ……ありがとっ、ございますっ……!」
それはこの世界でやっていく事にも生きていく事にも必要な努力だ。
世の中は女だけじゃない。
男性と一切関わらないなんて、そんなの無理な話なんだから。
「泣くなよ。折角泣き止んだのに」
「だってっ……三月さんが……っ」
「そんなに嬉しかったのか?」
「はっ……はいっ……」
「そっか」と言う三月さんの声が優しい。
私を見るみんなの眼差しが温かい。
話す前までは不安だらけだったけど、この人達のおかげで少し前を向けたような気がする。
この事務所に入って良かった……。
今は心からそう思ってる。
「話は終わったかな?みんなに唐揚げ弁当持ってきたよ」
「万里さん!うわっ!うまそう!」
「ミツはしゃぎ過ぎ」
「だっていつもはのり弁じゃんか!でもなんで今日は唐揚げ弁当なんだ?」
「さんの歓迎会といったところかな」
「わ、私ですか……?万里さん……」
「そうだよ。唐揚げ弁当で申し訳ないんだけどね」
「よし!じゃあ今からの歓迎会だ!お前ら集まれ!」