第2章 1 Melody.
私の歓迎会と称したお昼ご飯。
ただお弁当を食べるだけなのにこんなにも賑やかになるんだなと思うくらい騒がしい。
「四葉さん、辺りに食べ物を撒き散らさないで下さい」
「好き嫌いはダメだよ環くん。ちゃんと下のキャベツも食べないと」
「だぁぁぁ!!うっせーよ2人とも!!」
環くんは一織くんと壮五さんからダブルで小言を言われ
「もーらいっと」
「あああああ!!オレの唐揚げ!!」
「んー、うまい」
「自分のあるだろ!!」
「わかってねーなミツ。人様から貰ったもんは特別うまいの」
「OH、それは知りませんでした。是非トライしてみましょう」
「なんだよそれ!!つかナギ!オレので試すな!!」
「お、落ち着けって三月。オレのあげるから」
三月さんを中心に大和さん、ナギさん、陸でわちゃわちゃしている。
そんな光景を見ていた私と紡ちゃんはついクスクスと笑ってしまった。
「さんは笑ってる方が可愛いです!」
(え?!)
「い、いきなりどうしたの紡ちゃん」
「誰にでも言える事ですが……笑顔には周りを元気にさせる力があると思うんです」
「……そうだね」
「辛い事、悲しい事……この先色々あると思いますが、私もお手伝いしますので一緒に乗り越えていきましょう!そして沢山笑いましょう!」
グッと拳を握る紡ちゃん。
その表情はやる気に満ちていて、見ているこっちまで気合が入る。
しかし彼女はあくまでIDOLiSH7のマネージャー。
あまり負担はかけたくない。
(嬉しいけど……やっぱり私の力で頑張らなきゃ)
天に会う前にやらなきゃいけない事、それは〝アイドルとして成功する事〟〝全てを話す覚悟を決めておく事〟
好きな人にあの話をするのは本当に嫌だし本当に怖い。
でもきっと話さなきゃならない時が来るはずだ。さっきみたいに。
「よしっ!!」
「?!どうしたんですか?」
「私頑張るよ紡ちゃん!」
「え?」
「頑張ってみんなと……TRIGGERと並べられるようなアイドルになる!」
◆1 Melody.END◆