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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第20章 19 Melody.




(指が震えるっ……)



少ししか時間がない。
だから早くかけないとって思う。

けどなかなか発信できなくて、またもやスマホと睨めっこをする私。


この小さな機械の向こうで天が待っていてくれてると思うと……緊張する。



(お、押さなくちゃっ……!んぅっ……!)



いや、緊張なんてしてる暇はない。
いつまでもかけないでいたら、それこそ天が怒ってしまう。

と、ここは意を決し……目を瞑って発信ボタンをタップする。


すると当然呼び出し音が鳴るのだが……彼は僅か1コールで電話口に出てくれた。



「……遅い」

(って怒ってる……っ)
「ご、ごめんなさい……」

「……それで?何か用?」

(そ、そうだ聞かなくちゃ……)
「えっと……さ、さっきはごめんね……」

「いいよ、無理にはしないから」

「っ……それで……えっと……」

「……言わないなら切るよ」

「あっ……ま、待って!あのね……!」

「……何?」

「く、車に乗ってた時……天は何も話さなかったでしょ……?その時何を考えてたのかなって……」



勇気を出して聞いてみる。
でも天は黙り込んでしまった。


どうして言ってくれないの?
言いにくい事なの……?
今のこの沈黙は何?
今度は何を考えてるの……?


知りたくて聞いたのに……天が何か言ってくれないと謎は深まっていくばかりだ。


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