第20章 19 Melody.
「っ……された……」
暫くスマホと睨めっこを続けていると、ラビチャに新しく通知がついた。
慌てて確認すれば……それは天からの追加許可通知。
待っている間に落ち着いたドキドキが……また再来する。
「どっ、どうしよう……」
許可されたらメッセージを送る。
そう決めていたのに、いざとなると躊躇してしまう。
トーク画面を開いても……その先に進めない。
何を送ろう。
どう打てばいいだろう。
指を動かしては消してを繰り返す私。
けど出だしは決まって【さっきはごめんなさい……】だった。
「あぁもうっ…………あっ……」
(天からきたっ……)
ウダウダしていると、先に天の方からメッセージが届いてしまった。
【メモ、気づいたんだ。】
たったそれだけでも胸が騒ついて、天に想いを募らせてしまう私は最低かもしれない。
「あ……また……」
【さっきはありがとう。】
【わかってると思うけど、ボク達の関係は秘密。】
【人前では今まで通り九条さん呼び。いい?】
「うん、わかってる。……じゃなくて!か、返さなきゃ……!」
通話じゃあるまいし、スマホ画面に向かって喋ったって天には聞こえない。
何やってるんだろうと、自分で自分を恥ずかしく思いながら急いで文章を打ち込んでいく。
しかし慌てているせいかミスタッチが多い。
その間にまたもや天からメッセージが来てしまった。
【……ねぇ。】
(あっ、また来ーー)
【好きだよ。】