第20章 19 Melody.
「そうなんですか……」
「でも寝かせといて良かったわ。今のお前さん見たら、あいつはきっと心配する」
「え……?」
「幸せオーラが0なんだよ」
「九条くんと何かあったんだよね……?」
幸せオーラ0って……私そんなに暗い顔をしてますか?って聞いたら、3人とも「うん」って即答してきた。
おまけに三月さんは「好きな奴と付き合えたら普通舞い上がるだろ?」とまで言う。
確かにそれは私も思うけど……今は素直に喜べない。
「……はい」
「何があったんだよ。お互い好きだって言ったんだろ?」
「言いました……でも私……怖くて……」
「あー……九条の奴抱きしめてきたか」
「い、いえ……それはなんとか大丈夫だったんですけど……その……」
「まさかキスか……?!」
(三月さんハッキリ言うなぁ……っ)
「は、はい……」
「怖くて断ってしまったんだね……」
「はい……」
私が怖いと言った時、天は一瞬だけ苦しそうな顔をした。
それが目にこびりついて……今でも離れない。
あの男とは違うってわかってるのに胸を押し返してしまった。
本当はしたいと思うのに受け入れられなかった。
過去に負ったこの傷が……とても憎く感じる。
「それで通夜帰りみたいな顔して戻ってきたってわけかー」
「つ、通夜帰り……」
(相当なんだな私……)
「大丈夫だって!またチャンスはあるからさ!」
「そ、そうでしょうか……」
(今更ながらかなり恥ずかしい話をしている気が……)
「う、うん。その時までになんとかっ……」
(ちょっ……壮五さんが赤くなってるよ……っ)