第19章 18 Melody.〜天side〜
目の前に広がる夜景。
ちゃんと見えるか少し不安だったけど、昔とちっとも変わってなかった。
はあの時のように瞳を輝かせながら魅入っている。
夜風も気持ちいいし、とても落ち着ける場所だ。
「……ねぇ」
「何……?」
「そろそろボクを見てよ」
そう言うと、は驚きながらもこっちを見てくれた。
恥ずかしそうにモジモジしている姿が愛おしくてたまらない。
「えっと、そのっ……」って、必死に話題を考えようとしている姿が可愛い。
今はきっと真っ赤だろう。
想像するだけで身体が疼いてしまう。
(クスッ……可愛い)
「そんな姿を見せるのはボクの前だけにしなよ」
「えっ……?」
(他の人には……)
「……見せたくない」
ああ……抑えきれない。
そう思った。
怖がらせる事になっても、泣かせる事になっても……もうこれ以上は我慢出来ない。
……いや、我慢したらここに来た意味がなくなる。
だからボクは手を伸ばした。
に向かって真っ直ぐ。
「っ……!」
(……ごめん)
頬にそっと触れただけでビクッと身体を跳ねさせる。
見ると謝りたくなるけど、それでもボクは離そうとしなかった。
……震えないで。ボクは無理矢理犯したりしない。
ねぇ、信じて。
そう思いを込めながら彼女の頭をひと撫でする。
そしてそのまま……
(おいで……)
「えっ……」
の身体を……ボクは抱き寄せた。
「好きだよ、……」
今までの想いを全て乗せた言葉と共に……。