第19章 18 Melody.〜天side〜
「キラキラだぁ!!」
「ここからこんなに綺麗な景色が見られるなんて、ボク全然知らなかったよ!」
「私も知らなかった!わぁぁぁ!」
「陸にも見せてあげたかったな……」
「じゃあまた来ようよ!!」
「うん、そうだね!また来よう!」
「やったー!きゃははっ!」
思い返すと、ボクはしゃぎすぎって突っ込みたくなる。
でも初めて夜景を見た子供の反応ってそんなものだろう。
眼下に広がる宝石みたいな輝きもそうだが……キラキラさせていたの瞳も、可愛いの笑顔も……ボクはいまだに忘れてない。
(まだ見えるといいけど……)
「着いたよ」
「え……ここって……」
「また来ようって言ったでしょう。降りるよ」
そう。ボクがを連れて来たのはまさにその場所……ベンチしかないただの公園だった。
1番奥まで行くと、あの夜景が見られる。
あれから何年も経っているから、全く同じ景色が見られるとは限らない。
けど想いを伝えるなら……との思い出の場所がいいと思った。
「暗いから足元気をつけて」
「う、うん……」
「こっちだよ。おいで」
暗闇の中をと2人で歩く。
手を繋いで歩けたらいいのに、ボク達にはそれが出来ない。
なんとも微妙な距離感だ。
「あ……私そこで泣いてたんだ……」
「お肉片手にね」
「っ……あれはおつかいで頼まれてたやつだもん……」
「知ってる。それで立ち上がったら……これが見えた」
「わぁ……!綺麗……!」