第17章 16 Melody.〜天side〜
実際には聞こえてなかった。
なんとなくそんな気がしただけ。
(気持ちいい……)
「っ……ありがとうございました!!」
「次はこの子達だ!」
「俺らがあっためた会場、冷ますんじゃねぇぞ!!」
(陸、キミにバトンを渡すよ)
「おいで!IDOLiSH7!」
Re:vale、TRIGGERと続いて次はIDOLiSH7。
今回出演しているアイドルの中で1番人数が多い。
その分高い盛り上がりを見せてくれる事を……ボクは期待する。
「こんばんはー!!IDOLiSH7です!!もうこんなに暗くなっちゃったけど、まだまだサマフェスは終わらないよ!!」
「キャー!!陸くーん!!」
「可愛いー!!」
だが陸の体調も気になるところ。
ちゃんと水分は摂ってたのかとか、興奮しすぎて呼吸を乱していないかとか心配になる。
でもあの子もプロ。
ステージに上がった以上、今は見守るしかない。
「落ち着いてさん!!」
「さん、しっかりしてください!」
(この声……のマネージャーと小鳥遊さん……)
しかし陸への心配はすぐに頭の隅へと追いやられた。
ステージ裏に下がったボク達TRIGGERの耳に届いたのは、なにやら良くない雰囲気で話す2人の声。
楽と龍、そしてボクは「?」を浮かべながら顔を見合わせる。
「何かあったのかな……」
「もしかして……おいやべぇぞ!」
「ヤ、ヤバいってなんだ……?」
「いいから来い!」