第17章 16 Melody.〜天side〜
「よっしゃ!行くぞ!!」
という楽のセリフに合わせて流れ出すボク達の曲。
周りにいたRe:valeやIDOLiSH7達は下がったから、ここはもうTRIGGERのテリトリーだ。
最高の時間をみんなに。
そして、キミにも。
ここにいる全ての人達を想いながら……ボクはマイクを握り直した。
「うわ……凄い……」
「天にぃ!!かっこいい!!」
天が歌い始めた頃。
ステージ裏で観ていたは、彼らの完璧なパフォーマンスに魅入られていた。
楽も龍も勿論キマっているのだが……
やはり彼女にとっての1番は、センターで踊る天1人。
「天にぃ!」と言ってしまっている事に気付かない陸に便乗して、自分も叫びたいとウズウズしている。
(我慢できないっ……)
「っ……天!」
「ははっ!姉もっと!!」
「てーん!!かっこいいー!!」
会場では様々な音が混ざり合っている。
どれも大きな音だから、が叫んだところで天には聞こえないはずだった。
けど彼は「今の聞こえた。ありがとう」とでも言うかのようにの方へと視線を向ける。
目が合ったのは一瞬だったけど……彼女の胸を焦がすには長すぎたくらいだ。
(っ……天……)