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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第2章 1 Melody.




(行ったかな……)



やがて声が聞こえなくなり、その場から顔を覗かせてみる。
そこには誰もいなくて……私はホッと息を吐いた。


……いや、また近くに来るかもしれない。


会っても普段通りに接する自信が全くなかったから……自分にはもう逃げるしかなかった。



(着いた……服変じゃないかな……)



そして周囲に神経を張り巡らせながらなんとか家に到着。
だが入る前に最終確認だ。

自分の身なりがおかしくないかチェックした後、なるべくいつものテンションで玄関のドアを開ける。


話せば警察沙汰になるし、何より親に心配かけたくなかったから。



「あらおかえり。随分と早いわね」

「う、うん……!やっぱり今日はナシになったんだ……!」

「あらどうして?」

(うっ……わ、話題を変えなきゃ……っ)
「えっと……そ、それよりお母さん」

「ん?」

「お願いがあるんだけど……いい?」



これを言ったら怪しまれるってわかってた。
でも暫くはあの2人とは会えない。

だから私は「天と陸が来ても家には入れないで」と言った。
きっと訪ねてくると思ったから。



「どうしたの急に」

「お願いお母さん……!」

「もしかして天くんと何かあったの?あなた好きなんでしょ?」

「っ……だからこそだよ」

「本当は喧嘩でもしてきたのね?」

「まあ……そんなとこ」

「わかったわ。もし来たら言っといてあげる」

「あ……ありがとうお母さん……!」



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