第17章 16 Melody.〜天side〜
と思っても、この厄介な感情は嫉妬以外に当てはまらない。
自覚してしまうと抑えられなくて、どんどん自分が黒くなっていくのがわかる。
情けない……。
「さっ、次は通しね。隣のステージに移動するわよ」
にあんな事言ったんだからこっちも本気で挑まなきゃね。
って、ワザと自分に言い聞かせるボク。
じゃないと感情をコントロール出来ない。
黒いモヤモヤが消えてくれない。
こんな事初めてだ。
「ステージは目一杯使おうぜ。その方が盛り上がる」
「ああ、それは俺も賛成だ」
「ボクも」
「決まりだな」
結成して表に出てから、ボクはTRIGGERの九条天をずっと守り続けてきた。
それはこれからも変わらない。変えるつもりもない。
……でも狂いそうだ。
のせいでTRIGGERの九条天が狂いそうになる。
たった1人の女にここまで掻き乱されてる自分も、そして掻き乱してくるにも……両方にイライラしてたまらない。
「本番の為にテンション上げていこうぜ!」
「ああ!」
「クスッ、楽熱い。熱中症になりそう」
「何言ってんだ、行くぞ!」
だけどそれほどボクは彼女に本気なんだ。
本気じゃなかったらこうはなってない。
嫉妬もイライラも……最終的に辿り着くのは〝好き〟って感情なんだから。