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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第17章 16 Melody.〜天side〜




「おい天。何もあそこまで言う事なかっただろ」

「……うるさい」



真剣に挑んでほしい。


そう思ったからボクはに言ったんだ。
最高のステージをみせてほしかったから言ったんだ。


それにボクは彼女に期待してる。
周りをもっと魅了してほしいとも思ってる。

には輝いてほしい。
目が眩むくらい輝いてほしい。


……でも上手く伝えられなかった。
キツイ言葉を並べる事しかできなかった。


おかげでステージの端にいるは……もう笑ってない。



「お前は言い方がキツいんだよ」

(……そんなのわかってる)
「でも間違ってないでしょう」

「確かに最初は動けてなかったけど、2回目からは完璧にこなしてたじゃないか」

「あれはあいつのマネージャーのおかげだろ」

「ああ。あの人、場を和ませたり緊張ほぐしたりするのが上手いなと思ったよ。俺も聞いてて笑ったしね」

「梅干しな」

「後シャケ」



はははと笑う2人の声がボクの耳に入る。
聞いてると妙に苛立って仕方がない。


けど同時に気づいてしまった。
自分の中に……目を背けたくなる程の醜い感情があるって。



(このボクが……嫉妬……)



それはそう、嫉妬。
ボクはのリハの様子をずっと見ていた。


彼女がマネージャーと楽しそうにやり取りしていたところも
マネージャーに向かって笑っていたところも……全部。



(だから八つ当たりしたっていうの?まさか……ありえない)

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