第15章 14 Melody.〜天side〜
「お待たせしましたー!」
ジリジリと照りつける太陽のせいで、今日の暑さは尋常じゃない。
だから水分補給はこまめに。
後日焼け止めを忘れずに。
と、千さんと色々話していた時……少し離れた所から陸の明るい声が聞こえてきた。
視線を向けると、IDOLiSH7がこちらに向かって歩いてくるのが見えたが……の姿はない。
同じ事務所だから、一緒に来るかもしれないと思っていたのに。
「天に……あ、九条さん!」
(……まさか遅刻?)
「陸……今日はよろしく」
「うん!……ほら、姉」
「ちょっと待ってっ……心の準備が……っ」
でもはちゃんと居た。
隠れるようにして立っていたから見えなかっただけだ。
……それにしても、陸の後ろで胸に手を当てながらアタフタしているその姿からは、あの時の弱々しい感じは一切感じない。
IDOLiSH7の事は怖くないのだろうか。
「何照れてるの」
「っ……照れてなんかないっ……ですっ……」
「なら早く出て来なよ」
「うぅっ……は、はい……っ」
「……で、ボク達に挨拶は?」
「えっ……えっと……っ」
「……さん」
「は、はいっ!と申します!本日はよろしくお願いします!!」
「名前は知ってる」
「あっ……!す、すみません!えっと……っ」
(可愛い)
「いいよ。こちらこそよろしくお願いします」
「はっ……はい……っ」