第15章 14 Melody.〜天side〜
これからリハと本番があるというのに、ボクの心は妙に浮いていて地に足をつけてくれない。
始まれば問題ないんだろうけど、目の前でモジモジしているを見ているとつい微笑んでしまうんだから……自分もまだまだだなと思う。
「みなさん!そろそろリハが始まるので場所を移動します!私に着いてきてください!こちらです!」
「さあ、さんも移動しますよ」
「は、はい!」
そこへ現れたIDOLiSH7のマネージャー小鳥遊さんと、のマネージャー。
Re:valeにもマネージャーから声がかかっている。
となると姉鷺さんももう直ぐ来るだろう。
ボク達だけで先に行ってもよかったけど、楽が口を開いたせいで会話が展開する。
「にしてもマジで暑いな」
「でも泳ぎたくなるよ!」
「……龍、それいつかと同じ事言ってる」
「そ、そうだったかな」
「まああの時とは違って、もう海開きはしてるけどね」
「あなた達!喋ってないで行くわよ!」
IDOLiSH7、Re:vale、TRIGGER……そして。
それぞれがスタンバイ場所へと足を向けていく。
そんな中で……ボクは彼女とすれ違おうとしていた。
ここで言うにはリスクが高い。
けどライブが終わってからでは捕まえられない可能性がある。
だからボクは彼女だけに聞こえるような小さな声で……すれ違いざまにこう言った。
「……」
「えっ……?」
「このライブ……終わったら待ってて」
◆14 Melody.END◆