第15章 14 Melody.〜天side〜
「へぇ……かなり広い会場だね」
「ああ、ステージが4つもあるよ!」
「早くやりてぇな」
サマフェス当日。
開始は夕方からだけど、リハがある関係でボク達は何時間も前に現地に到着した。
観客を囲うようにして設置されているステージは、どれも大きくて迫力がある。
「2人共!海だ!」
「おっ、結構近いな」
「そうだね」
どうりで風が気持ちいいと思った。
夏場に浴びる潮風はとても心地いい。
磯の香りも、いつかのオフを思い出してなんだか落ち着く。
こんな素敵な場所で歌えるなんて……ボク達は幸せだ。
「今日もベストを尽くそう」
「当然だろ?」
「ああ!みんなと盛り上がろう!」
ライブはRe:valeが先陣を切る。
生のトークも組み込まれているから、開始から終了までかなり長い。
そこで心配なのが熱中症。
ボク達アイドルも、観に来てくれるファンも……誰1人と倒れない事を祈る。
「てーん!楽ー!りゅーう!」
「おっ、Re:valeじゃねぇか」
「TRIGGER早いね!!気合い十分って感じ!!」
「まあな。やりたくてウズウズしてる」
「けど今日はやけに暑いな……。キミ達も暑さ対策には気をつけて」