第14章 13 Melody.
丁度天と目が合った時にウインクした……なんて言えないので黙っておくが、照れたり騒いだり深刻そうになったりと……壮五さんは何かと忙しい。
見ていると面白くて笑ってしまう。
「終わりましたね。さん、改めてお疲れ様でした」
(うっ……そう言われると胸がいっぱいに……っ)
「あ、ありがとうございますマネージャー……」
「姉凄く良かったよ!」
「陸もありがとう……っ」
「YES.皆さんも同じ事思っているようですよ」
(皆さん……?)
なんか温かいものが目から出てきたところで私にスマホを渡してきたナギさん。
見てみると、そこには例のSNSが開かれていた。
しかも書き込みには嬉しいコメントばかりが並んでいる。
また聴きたい!テレビだとアンコール出来ないから辛いなー!
トークも素みたいで良かった!あんな子が売名するわけないよ!
声めっちゃ可愛いし綺麗。
今度IDOLiSH7と一緒に歌ってほしい!
すまん。叩いた俺を許してほしい。
(みんなっ……)
まさに追い風。
背中を力強く押されているような感覚だ。
嬉しくて嬉しくて……歓喜の涙がとめどなく溢れてくる。
(ありがとうっ……)
「良かったなっ……良かったなっ……!」
「って、兄さんまで泣くんですか」
「出ちまうんだからしょうがないだろっ……なぁ、っ……」
「はっ……はい……っ」
「全く……。ほら、私のハンカチ貸しますから。2人とも拭いてください」