第14章 13 Melody.
「おい押すなよミツ」
「だってしっかりみたいじゃんか!」
さて、いよいよ放送日。
事務所にあるテレビを囲うようにして座るみんなの後ろで、私はマネージャーと2人で並んでいた。
彼も前の方でみたいのか、なんだか落ち着かない様子。
「マネージャー、前行ってもいいんですよ?」
「いえ。おれはあなたの隣でみます」
(とか言って凄く行きたそう……)
「そんな遠慮なさらずに……」
「おれはさんのマネージャーですよ?あなたの側でみないでどうするんですか」
記念すべき初仕事だった今回の収録。
それをビジネスパートナーである自分達が一緒に見ないで、これから先上手くやっていけると思ってるんですか?とまで彼は言った。
悪いところがあれば意見を出し合って改善し
良いところがあれば次回にも繋げていく。
まだ知り合って日が浅い私達は、こうやって少しずつ信頼関係を結んでいかなければならない。
(そうだよね……マネージャーの言う通りだ……)
「……いつまでおれを見上げてるんです?」
「え?」
「え?じゃありません……!ほら、そろそろ始まりますよ」
「あ……」