第14章 13 Melody.
それから私は嗚咽を抑えながらも、陸に今日あった出来事を話した。
スタジオに天が来てた事。
控え室に来てくれたけど逃げてしまった事。
震える姿を見られた事。
そしてあの日の真相を天に打ち明けた事。
「だから天にぃは聞いてきたんだ……」って納得してたけど……私がいつまでも泣いてるせいか、この子は困ったように「えっと……」ばかり言っている。
「えっと……」
「私本当はっ……ずっと会いたかったよ……っ」
「……うん」
「あれだけ拒否してきたのにっ……今は会いたくてたまらないよっ……」
「……うん」
「っ……天っ……」
陸にぶつけたってしょうがないのはわかってたけど……もう吐き出さなきゃ押し潰されそうだった。
文句一つ言わずに聞いてくれる陸に甘える私は……彼より年下みたい。
「……姉、触ってもいい……?」
「っ……えっ……」
「あっ、いや……!へ、変な意味じゃないよ?!ただ何かしてあげたくて……」
「っ……」
(陸……)
「でもごめん……怖いよね……」
「何言ってるんだろうオレ……」って苦笑する陸。
背中をさするとか、頭を撫でるとか……多分それくらいだろうけど、嫌がって傷つけてしまうかもしれないからお願いは出来ない。
「ごめん陸っ……その代わり側にいてくれる……?」
「も、もちろんだよ!」
「ありがとうっ……」