第14章 13 Melody.
遠慮がちに私の前に座った陸。
何の話かなと思って言葉を待っていると……彼は今日の収録の事を聞いてきた。
どうだった?
百さん達テンション高かったでしょ。
デビュー曲は?うまくいったの?
これくらいならすんなりと答えられる。
そう思っていたのに……陸は突然予想外の事を聞いてきた。
「あ、あのさ……天にぃと何かあったの……?」
「っ……」
(どうしていきなり……っ)
「実はご飯食べる前天にぃから電話があったんだ。その時こう言ってたんだよ……は泣いてない?って」
「そ、そう……」
(いつの間に話してたのっ……)
「どういう事かなって気になってさ……」
は泣いてない?だなんて……そんなの聞いたらまた泣きたくなる。
正直言えば、あの後マネージャーが来るまでずっと部屋の中で泣いてたけど……まさか気にしてくれていたなんて……。
(また涙がっ……)
「っ……」
「えっ……姉どうしたの……?」
「なんでそんな優しい事言うのっ……」
「ど、どういう意味……?」
「散々傷つけてきたのにっ……どうしてそんな事言うのっ……」
「姉……」
「もうこれ以上好きにさせないで……っ」