第13章 12 Melody.〜天side〜
約1時間の放送は終始安定していた。
Re:valeの無茶な振りにもキチンと対応していたし、他のトークも自然と出来ていたように思う。
ただ問題のパフォーマンスは序盤上手く編集されていて、固まってしまっていた姿は一切映らなかった。
「よかった……!本当によかった!」
さて、番組に対しての感想はここまで。
CMに入った途端にスマホを弄りだした龍は、若干潤んだ瞳で独り言を言い出す。
何を見てるのと、ボクと楽が画面を覗くと……
(……なるほどね)
そこには例のSNSが。
なんだよめちゃくちゃ可愛かった。
って子歌上手い!!
俺、今日から推し。
また聴きたい!いつ発売かな?!
正直期待してなかったけど、まあ良かったかな。
ダンスも可愛かった!振り覚えたい!
これは龍が涙目になる訳だ。
ボクも見て安心する。
「とりあえずお前は涙拭け。ほら」
「あ、ああ……ありがとう……」
「……あいつ見てっかな」
「さあ……どうだろうね」
自分の事なんだ、は見ているはず。
きっと今の龍みたいに涙を浮かばせて
楽みたいに心から安心して
そしてボクみたいに優しく笑みを浮かべてるだろう。
(……優しく?)
「おまっ!またそんな顔しやがって……!」
(……遅かった見られた)
「調子狂う?」
「別に。狂いやしねぇよ」
「どうして?」
「だってお前、に惚れてるんだろ?」