第2章 1 Melody.
「そのおじさん、一体姉に何したの?!完全に怪しいよ!」
「七瀬さん、最後までちゃんと聞いてからにしてください」
「あ……う、うん……そうだな」
連れて行かれたのは近くの路地裏。
こんな場所に連れて来て何をするのかと思ってたら……あいつはいきなりキスをしてきた。
無理矢理口をこじ開けようと舌を伸ばしながら。
「んー!!……っハァ……何するんですか……!!」
(私のファーストキスが……っ)
「何ってキスだよ……キミがあまりにも可愛いから……」
「そっ……そんな理由で……!」
「おじさんね……可愛い子を見ると身体が疼いてしょうがなくなるんだ……」
(や、やだ……近寄らないでっ……)
「キミは特別可愛いよ……こんなにおしゃれしちゃって……おじさんの為かな……?」
「ちっ……違……っ」
(怖いっ……)
「ああ……キミを見てるだけで勃っちゃったよ……ほら、触ってごらん……」
「っ……!」
強引に手を取られ、強引に触らされたソレの感触は今でも手のひらに残ってる。
私の手を自ら操作して吐息を吐くあいつの声も顔もまだ鮮明に覚えてる。
初めて男の人のソレに触った事。
この後犯されるかもしれない事。
恐怖が恐怖を呼んで……私はピクリとも動けなかった。