第13章 12 Melody.〜天side〜
その夜。
ボクは家の自室にある椅子に座っていた。
でも今日は昨日とは違い色々と考えている。
の話を整理しようと思って。
(……あの日彼女は約束通りボク達の家に向かってた)
そこへ男が現れて、は身体をいじられた。
キスされ舐められ……そして手に……。
よくもそんな事が出来るなと、顔も知らない男に対してボクは怒りを覚える。
同性として恥ずかしい。
(……ごめん)
そして次は後悔。
あの時もっと早く探しに出ていれば、は何もされずに済んだかもしれない。
そう考えると悔しくて……作った拳が小刻みに震えだす。
(陸が言ってたのはこの事だった……)
〝あ、それとね……?実際に会わないとわからないけど、今は天にぃの事怖いとは思ってないって言ってたよ。特別なんだって〟
これは男として怖くないという意味だったんだ。
けど実際に会ったら違ったようで、はボクに対して恐怖を抱いていた。
見ていられないくらい身体を震わせて。
(……いや、おかしい)
そういえばともう一度記憶を辿ってみると、の様子は初めからおかしかったという事に気付く。
ボクが部屋に入った時から呼吸が乱れていたし、身体も小刻みに揺らしていた。
きっと何かあったに違いない。
(もしその〝何か〟がなかったら……キミはどんな反応をしたの……)