第13章 12 Melody.〜天side〜
(陸、出て)
「……もしもし天にぃ?!」
(出た……)
「……今いい?」
「もちろん!でもさっき寮に帰ったばかりだから、ちょっとバタバタしてるかもしれないけど」
龍達から離れて、また陸に電話をしてみたボク。
本当にバタバタしてるのかなんなのか……IDOLiSH7の騒がしい会話が聞き取れる。
今日も1日やり切ったー!!と言う和泉三月。
さーて、ビールビールっと……。と言う二階堂大和。
えっ?!もう呑むんですか?!って陸のツッコミが入り……
俺、王様プリン。と言うプリン。
環くん!キミもキミだよ!という逢坂壮五。
OH!ではワタシ、ここーなみまーす!という六弥ナギ。
和泉一織は呆れているのか何も言わない。
そんな中で、一際目立つ声がこれだ。
「みなさんバラバラ過ぎませんか?!」
の声は高めで可愛い。
だから周りに男しかいない場所だとすぐ分かる。
泣きじゃくって大変な事になっているのかと思っていたけどそんな事はなさそうだ。
「あっ、ごめんね天にぃ。うるさいでしょ」
「……とりあえず二階堂大和と四葉環にはちゃんと食事とらせて」
「ははっ、言っとくよ」
陸と話している間も彼女の声が入ってくる。
じゃあ私ご飯作ります!
みなさーん!何が食べたいですかー!
元気そうだけど……ボクには無理に明るく振舞っているように感じた。
「……陸」
「ん?何、天にぃ!」
「、泣いてない?」
「えっ……どうしたの?何かあったの?」
「……いや、なんでもない」
(その様子じゃ陸は何も知らないみたいだ)