• テキストサイズ

【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第13章 12 Melody.〜天side〜




と思ってはいても仕事はキチンとこなす。



「ハァッ……みんなありがとう!!」

「きゃー!!天様ー!!」



夕方から入っていたのは生放送の音楽番組で、大きな会場でやるようなライブより早く終わった。


歌って踊っている間はファンに全てを捧げているけど……1歩ステージから遠ざかれば、心の中はでいっぱいになる。



(……出ない)

「誰に電話してんだよ」

「楽には関係ないでしょう」

「……まあそうだけどよ」

(陸……)



がどうなったのか心配で陸にコールしてみたが不発。

まだ仕事をしているのか……それとも深刻な状態になってしまっているのか。


どちらにせよ、ボクに出来る事は何もない。


今はまだ……。



「お疲れ様。いいパフォーマンスだったわよ」

「……いえ」

「なーに天、不満そうね」

「……すみません、少し1人にしてください」



ライトが輝くステージにあがれば……当然ファンの為に尽くす。

ファンの為に歌い、ファンの為に踊り……
ファンの為に笑顔を見せ、ファンの為に楽しいひと時を作り上げる。

それがボク達アイドルの役目だから。


でも今日は違う。
衣装を着てマイク持っても……ステージに上がらない限り、ボクはずっとの事を考えていた。


いつもなら直ぐ切り替えられていたのに。

/ 395ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp