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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第11章 10 Melody.〜天side〜




「天、今あいつになんて言ったんだ?」

「さあね。当ててみなよ」

「後で説教だよ。とか」

「……やっぱり帰りは楽の番」

「そんな番ねぇよ!」



、歌ってーー。


声には出さず、ボクはただの口パクで伝えた。

それはちゃんと通じたようで……こっちに向かって小さく頷いてくれる。


インカムを調整し直し、困惑していたスタッフに「大丈夫です。流してください」と言えるくらいにまで正気を取り戻したようだ。



(良い顔)

「やっとだ……!どんな曲かな?」

「あのセットからして俺らとは違うな」

「あっ、楽!天!イントロだ!」

「ほらな、全然違う」



ボクの予想通り、のデビュー曲はとても可愛らしいものだった。

パフォーマンスも初めてにしては堂々としてるから、見ていてハラハラしない。


けど……



「っ……」
(……何今の)



サビに「Kiss me」って歌詞があるのだが……それに合わせて、彼女は唇に指を当てながらウインクしてきた。


振りだとわかっていても、バッチリ視線が合った状態でやられたらたまらない。

折角落ち着いてきたドキドキがまた……。



「可愛いね!ちゃんにピッタリだ!」

「つかさっきから何興奮してんだよ」

「えっ?あっ、いや……ははは、つい……」

「まあでも安心した。あいつ……凄く楽しそうだ」

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