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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第2章 1 Melody.




「……わかった。話すよ、陸」

「えっ……?」

「言うって言ってるの。でも……よくない話だよ」



辛そうに顔を顰める陸の姿は見たくない。
でも話したくない。


そう自分の中で言い争った。

出来れば1人で乗り越えたかったけど……「どんな事でもオレは知りたい……!」「姉の力になりたい」って言う陸に心を動かされた私は打ち明ける事を決意。


それにどうせ話すならみんなにも聞いてほしい。
だから私は今この場で過去の記憶の扉をあけようと、分厚いドアの取っ手に手を伸ばした。



「七瀬さん、一体なんなんですか?」

「……姉は昔、オレ達の前から突然姿を消したんだ。その理由を知りたくて……」

「姿を消した……ですか?」

「……はい。私はここ6年間、陸には全く会ってませんでした。……あんな事があったせいで」

「その〝あんな事〟ってやつを、お前さんは話そうとしてんだろ?」

「は、はい……。あの……皆さんにも聞いていただきたいんですが……」

「うん、勿論だよ」

「ありがとうございます壮五さん……」



さて……どこから話そうか。
みんなして私を見つめてるから、変に緊張して頭が真っ白になりかける。


まあ簡単に言う事も出来るけど……ここはしっかりと順を追って説明しよう。



「えっと……ちょっと長くなるかもしれませんが……」

「構いません。ワタシ達、最後までちゃんと聞きます」

(うっ……ナ、ナギさん苦手……)
「あ、ありがとうございます……じゃあ話しますね……」


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