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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第10章 9 Melody.




TRIGGERに負けないくらいのフォローとは一体どんなフォローだろうか。


私はもう大丈夫だと伝えたのに、百さんも千さんも聞かなかったから逆に困ってしまう。



(ありがたいけどまた批判買いそうな……)

「さん、顔を下げないでください」

「あっ……すみません……」



今私は自分の控え室でメイクさんに顔をいじってもらってる。

一応自前で化粧はしてきたけど「それだとテレビじゃ綺麗に映らない」って言われてしまった。


あまりシャドウとか濃く入れたくないのに、このメイクさんはホイホイ色を乗せてくる。



「さんは肌綺麗だし元がいいから、化粧品のCMとか良さそうね」

「わ、私がですか……?」
(ありえない……)

「ええ。私はいつも淡々と仕事をこなしてるんだけど、こうしてあなたの顔を綺麗にしていると……ふふっ、なんだかテンション上がっちゃうわ。でもクマはダメよ?可愛い顔が台無し」



よろしく。
そこに座って。
目を閉じて。
動かないで。


と、控え室に来るなりメイクさんはこう言った。
無表情だったし……なんだか怖い人だなと思ったのが第一印象。


けど笑うととても綺麗。
鏡越しだけどつい見惚れてしまう。

相手は同性なのに。



(綺麗なのはそっちだよ……)

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