第10章 9 Melody.
ノックした時は無反応だったのに、いきなり中からRe:valeの百さんが飛び出してきて……私は悲鳴をあげてしまった。
その反応に爆笑する百さんは「ごめんごめん!」と調子よく謝ってくる。
もう何がなんだかわからない。
「驚かせちゃってごめんね!絶対焦ってるだろうなーと思ってちょっとイタズラしちゃった!」
「えっ……?」
(イタズラって何……っ)
「さっきの、ワザと黙ってたんだよ!」
「……えぇっ?!」
(何それっ……)
「ククッ……いい反応」
「えっ……」
(千さん……笑い堪えてる?!)
「ああ気にしないで。とにかく僕達は怒ってないから安心しなさい」
「そうそう!だから早く中入りなよ!……あ!!ちょっと待って!オレ今パンツ干してたんだった!!」
「ああ、くまさんのな」
「違うよ!ユキの顔がプリントされてるやつ!」
「気色悪!」
どうやら彼らの悪ふざけだったようだ。
こっちは顔を真っ青にしたというのに……なんという先輩達だろう。
……でも正直ホッとした。
初日から目をつけられてるわけにはいかないし。
ちなみにパンツネタはただのジョークだった。
(次はきちんとご挨拶をしなくちゃ……!)
「えっと……わっ、私はと申しますっ!この度はお声をかけていただきありがとうございました!!今日は全力でやらせていただきます!よろしくお願いしますっ!!」
「うん!こちらこそよろしく!」
「そう緊張しなくていい。キミの事は陸くんから少し聞いてるからね」
「あ……すみません、あの子が無理を言ってしまって……」
「いや、謝るのは僕達だ。かなり批判を浴びただろ」
「あ……ま、まあ……」
「でも大丈夫!今日はオレ達がフォローするから!」
「ああ。TRIGGERに負けないくらいのね」