第10章 9 Melody.
驚きすぎた私は思わずドアを閉めた。
バックバクになった心臓を胸に扉の横を見てみると、さっきは全然目に入らなかった【Re:vale】の文字が視界にハッキリと映る。
(ここRe:valeさんの控え室……っ)
血の気が引いた私は頭真っ白。
勝手にドアを開けた事。
挨拶しなかった事。
謝罪せずに無言でドアを閉めた事。
大先輩に向かってこの失礼の数々は最悪にも程がある。
「何してるんですかあなたは……!」
「すっ、すみません……っ」
「おれに謝ってる暇があったら早くノックして!!」
「で、でも私……」
(今は頭がこんがらがっててっ……)
「いいから早く……!!」
中に通してくれたら真っ先に謝罪してください!!と、更にマネージャーに怒られる。
怖いけどこのまま去って行くわけにもいかないから……私は震える手をなんとか持ち上げて、目の前の厚い扉を数回叩いた。
しかし中からは応答がない。
これは完全にRe:valeさんを怒らせてしまった……。
(ど、どうしようっ……)
「退いてください!おれがやってみますから……!」
「でもマネージャー……っ」
「さんは黙ってて!ここはおれに任せ、」
「ちゃーん!!」
(?!?!)
「きゃぁぁあ!!」