第10章 9 Melody.
(こ、これがテレビ局……っ)
車で移動する事約40分。
目の前にそびえ立つ立派な建物に圧倒された私は入り口の前で立ち往生していた。
事務所を出る時はあんなに張り切っていたのに、これからRe:valeさんとお会いするんだと考えると……また緊張してくる。
「緊張、飛んで行ったんじゃなかったんですか?」
「うっ……」
(ブーメランのように戻ってきました……)
「おれも一緒に控え室まで行きますから。そう強張らないで」
「は、はい……」
こんな所でいつまでも立ち止まってなんかいられない。
Re:valeさんには元気良く挨拶すれば大丈夫!
とか思いながらマネージャーの後について局入り。
裏口みたいな場所から入ったけど、中はかなり広く入り組んでいて迷路みたい。
(迷いそう……ちゃんとついて行かなくちゃ……)
「ここですね、控え室」
廊下を歩いて階段をのぼって……また廊下を歩き、今度はエレベーター。
そしてまたまた廊下を歩いて辿り着いたこの控え室。
自分のだと思った私は「開けますね」と、なんの挨拶もせずにドアを開けてしまった。
「さん……!ここはあなたの控え室じゃ……!」
「えっ……?」
「あっ!もしかして噂のちゃん?!」
「へぇ……可愛い子だな」
(え?!)
「?!?!」