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【アイナナ/R18】Melody.【九条天】

第10章 9 Melody.




「さん!ちゃんとアイマスクをして!チラ見禁止ですよ!!」

「は、はい!」

「もう一度マッサージ機を使って!!」

「はっ、はい!」

「のど飴食べましたか?!ずっと歌っていたんですから喉を大事にして!!」

「なめへまふ……!」



マネージャーが用意してくれた車の後部座席には、様々な癒しグッズが大量に積み込まれていた。

私は彼の言う通りにしながらも「これ今使うようなやつじゃないよね……」と思う。


アイマスクとかしてたら逆に眠くなっちゃう。



(早く着かないかな……)

「さん!!」

「?!はいっ!!」
(ていうかこの人……こんなキャラだったっけ)

「もう直ぐ着くので少し音をとってみてください!声の調子を確かめますから!」

(えっと……何か歌ってみればいいのかな……)
「ドーレーミー……」

「うん、大丈夫ですね。よかった……」



と、凄くホッとしたような声で言うマネージャー。

どうしてここまでしてくれたのか理由を尋ねてみると、彼は「あなたを大スターにするのがおれの役目です。出だしから失敗なんてさせたくなかった」と答えてくれた。


それを聞いて胸が熱くなる。
嬉しくて泣きそう。



「泣かないで!!鼻声になりますから!!」

(バックミラーで見られてた……!)
「はっ、はい!!」

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